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人事院の白書に思う

国家公務員の志望者が減り中途退職者が増加している状況の中、人事院の白書が公表された。何とかしなければという人事院の問題意識自体は的確であると思う。

 

今回の白書の中で人事院は国家公務員の人気低迷の要因として、「国家公務員として働くやりがいが十分に伝わっているとはいえない」と分析。「厳しい人材獲得競争の中、優秀で志のある人材を集めるためには、公務の魅力を効果的に発信することが不可欠だ」と指摘した。その上で、若手・中堅職員を中心とする府省横断チームを立ち上げ、採用活動などで魅力発信に取り組むことを提案した、という。

 

大変残念なことだが、全くピントが外れていると言わざるを得ない。やりがいが伝わっていないのではなく、やりがいそのものが低下しているのである。やりがいのある仕事に戻していくためにはどうすれば良いか、を考えなくてはならない。

 

独立性を有するとはいえ人事院も国家機関のひとつ。国家公務員を経験した人ならば誰もが感じているであろう、やりがい低下の要因を明確に指摘できないのは残念で仕方がない。この提案自体が国家公務員のやりがい低下を象徴しているようにも見えてしまう。

 

こんな提案ならしないほうがマシだと思ったのは、私だけだろうか。