西宮市の監査委員に就任してから1年余りが経過した。馴染み深い自治体行政ではあるものの、監査というのは初めての仕事。どこまで何を言うべきなのか、独任制の意味はどこにあるのか、まだその具合が掴めずにいる。
長く自治体で仕事をしてきたが、正直なところ監査にあまり関心を持ったことは無かった。ただ平成期に入ってから外部監査や住民監査請求、財政健全化など監査に絡む様々な制度改正が行われ、監査委員の役割は増えている。民間企業の仕組みを参考にした監査や内部統制を重視する視点は健全な自治体経営のためのものだが、理想はともあれ民間企業と自治体はそもそも存在意義や基本的な仕組みが違う。本当にこれで機能するのか、という疑問はずっと持っていた。
近年の自治法改正で議員選出委員を廃止することが可能となったが、西宮市はいち早くこれを実施し委員全員が専門家等の識見委員であったことがとても興味深く、就任させて頂く動機となった。
実際に監査委員の仕事をしてみて、これまで持っていた問題意識を改めて強くしている。地方自治制度には様々な盲点が存在しているが、監査制度もまたその一つであると感じる。基本的なところを整理せずに手段のみを付け足したり変えてきた状況がこの分野にもあるのではと。
二層制を含めた地方自治制度の今後のあり方について考えるこの頃であるが、監査委員の経験もまたそれを深める契機となっている。そのような機会を与えられたことに感謝しつつ、迷い悩みながら日々の仕事に取り組んでいる。